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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?tt

睡眠時無呼吸症候群※SAS(Sleep Apnea Syndrome)とは、【睡眠中に呼吸が断続的に止まる】または【睡眠中に呼吸が浅くなる】状態のことで、睡眠中に呼吸が一時的に停止することで質の高い睡眠が妨げられる状態を指します。
睡眠時無呼吸症候群の影響は、単に夜間の不眠だけにとどまりません。この状態が続くと、体内の酸素レベルが低下し、健康に悪影響を及ぼします。一般的には、いびきや日中の眠気、集中力の低下が主な症状とされています。さらに長期間放置すると、高血圧、心臓病、2型糖尿病のリスクが増加します。
また、日中の眠気によって交通事故や作業上の事故のリスクが高まることもあります。健康への影響を最小限に抑えるためには、早期の診断と検査・治療が重要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)のセルフチェック
以下は簡易のセルフチェック項目です。1つでも当てはまったら睡眠時無呼吸症候群の予備軍である可能性があります。
- いびきが大きいと指摘されたことがある
- 寝ている時に呼吸が止まっていたと指摘されたことがある
- よく寝ているのに疲れがとれない、体がだるい
- 起床時に頭痛、頭が重く感じる
- 日中、仕事中に強烈な眠気に襲われることが多い
- 肥満気味、顎のくびれがない
睡眠時無呼吸症候群は、自分では気づきにくいことが多いです。もしご家族やパートナーから、睡眠中に呼吸が止まっていることを指摘された場合は、ぜひ当院にご相談ください。
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睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状は多岐にわたりますが、最も一般的なものを以下に示します。
いびき

大きないびきは、気道の閉塞を示す兆候です。
特に、一定のリズムで途切れるいびきは無呼吸エピソードを示唆します。
家族や同居者がいびきの変化に気づくことが多く、診断の手がかりとなります。
いびきのパターンを記録しておくことは、医師にとっても有益な情報となります。
日中の過度の眠気

睡眠の質が低下するため、日中に強い眠気を感じることがあります。
この眠気は、長時間の運転や集中を要する作業中は特に危険です。
慢性的な眠気は、生活の質を低下させるだけでなく、仕事のパフォーマンスにも影響を与えるため、早期の対策が必要です。
集中力の低下

睡眠不足により、集中力や記憶力が低下する可能性があります。
これにより、仕事や学業における効率が落ちることが多いです。
特に注意力が必要な作業や学習においては、重大なミスにつながる可能性があります。
集中力の低下が継続する場合、医師の診断を受けることが推奨されます。
起床時の頭痛

酸素不足が原因で、朝起きた際に頭痛を感じることがあります。
この頭痛は通常、起床後数時間以内に収まりますが、頻繁に起こる場合は、根本的な問題がある可能性があります。
そのため、医療機関での検査を受けることが望ましいです。
適切な治療を受けることで、頭痛の頻度を減らすことができます。
気分の変化

睡眠不足が原因で、イライラやうつ症状が現れることがあります。
これらの精神的な変化は、身体的なストレスが影響している場合が多いです。
気分の変化は、対人関係や社会生活に悪影響を及ぼすことがあるため、必要に応じて心理的サポートを受けることが有効です。
睡眠時無呼吸症候群の検査は、
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睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群の原因は、種類によって異なります。
睡眠時無呼吸症候群の種類ごとに、一般的な原因を以下に示します。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因
肥満

体重が増加すると、首周りの脂肪が増え、気道が狭くなることがあります。特に腹部や首に脂肪が蓄積すると、気道が閉塞しやすくなります。健康的な体重を維持することは、睡眠時無呼吸症候群の予防に非常に重要です。実際、減量によって症状が改善されることも多いです。
身体の構造的な問題

扁桃腺の肥大や鼻中隔の湾曲など、気道を狭くする身体的な要因があります。これらの解剖学的な問題は、手術によって改善できる場合があります。特に扁桃腺の肥大は子どもに多く見られるため、早期の診断と適切な対応が重要です。耳鼻咽喉科での受診が推奨されます。
加齢

年齢を重ねることで筋肉が緩み、気道が閉塞しやすくなることがあります。加齢に伴う筋肉の変化は避けられませんが、適切な運動や健康管理を行うことでリスクを軽減できます。特に中年以降の成人は睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなるため、定期的な健康診断が重要です。
中枢性睡眠時無呼吸症候群の原因
心臓疾患

心不全などの心臓の問題が影響を及ぼすことがあります。心臓が十分に血液を供給できない場合、脳への酸素供給が不足し、中枢性睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことがあります。心臓病の適切な管理は、中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療において重要な役割を果たします。心臓専門医との連携が求められます。
脳の疾患

脳卒中や脳腫瘍などが原因となることがあります。脳の機能が損なわれると、呼吸を制御する信号が正常に伝達されなくなります。そのため、神経内科や脳外科での精密検査が必要となることがあります。特に脳卒中後の患者には、慎重な観察と適切な管理が求められます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療法は、症状の進行度や原因に応じて異なります。以下に一般的な治療法を紹介します。
症状が軽いケースの治療法
体重管理

体重が増加すると、首周りの脂肪が増え、気道が狭くなることがあります。
特に腹部や首に脂肪が蓄積すると、気道が閉塞しやすくなります。
健康的な体重を維持することは、睡眠時無呼吸症候群の予防に非常に重要です。
実際、減量によって症状が改善されることも多いです。
アルコールや喫煙の制限

アルコールや喫煙は気道を狭くする原因となるため、控えることが推奨されます。
アルコールは筋肉を弛緩させ、喫煙は気道を刺激して炎症を引き起こすため、これらを制限することは睡眠の質を改善するだけでなく、全体的な健康にも良い影響を与えます。
禁煙プログラムやアルコール制限のサポートを活用することが効果的です。
睡眠姿勢の調整

仰向けで寝ると、舌や軟口蓋が後方に落ち込み、気道を塞ぐことがあります。
そのため、横向きで寝ることで気道の閉塞を軽減できます。
横向きの姿勢を維持するためには、特定の枕や寝具を使うと効果的です。
寝具専門店での相談や試用も有益です。
マウスピース

いびき防止のマウスピースは、歯科医によって提供されることが一般的で、気道を開くために下顎を前方に保持します。
これにより、気道が自然に広がり、無呼吸の回数が減少します。個々の口腔構造に合わせてカスタマイズが可能で、定期的なメンテナンスや調整が必要です。
市販でも販売されていますが、歯科で処方してもらう方が、より効果的で安心です。
症状が重いケースの治療法
CPAP(持続陽圧呼吸療法)

CPAP(シーパップ)は、睡眠中に気道を開いた状態で維持するための呼吸補助装置で、特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者に効果的な治療法です。
一定の気圧を気道にかけることで、無呼吸を防ぎます。初めて装着する際は違和感を感じることがありますが、適切なフィッティングと調整により快適さが増します。
CPAP装置は、専門家の指導のもとで使用することが重要です。
気道拡張手術

睡眠時の無呼吸症状を改善するために、気道を広げる手術を行うことがあります。
さまざまな手術方法があり、患者様の状態に応じて最適な方法が選ばれます。
例えば、扁桃腺に問題がある場合は、扁桃腺摘出術が行われることがあります。
いびきの改善を目的とした軽度な組織除去手術でも、適切な処置を行うことで劇的な改善が期待できます。
昨今では患部を切開せずに行うレーザー治療など、最新の治療法も確立されています。
睡眠時無呼吸症候群に関するよくある質問
睡眠時無呼吸症候群の検査は健康保険適用されますか?
睡眠時無呼吸症候群の検査は保険適用となります。
睡眠時無呼吸症候群の検査の結果はいつ分かりますか?
ご自宅で検査の後、検査キットをご返送いただいてから約2〜3週間で結果がわかります。
睡眠時無呼吸症候群が引き起こす、深刻な健康リスクは何がありますか?
脳卒中、心不全、不整脈、虚血性心疾患、高血圧、心筋梗塞、2型糖尿病などがあります。
睡眠時無呼吸症候群の対策で自身でできるものはありますか?
肥満体型の人は食事の見直しと運動を中心に体重を落とすように心がけましょう。禁煙、禁酒も効果的です。